婦人科
当クリニックの
婦人科診療について
女性の体は思春期から老年期まで、ホルモンの変化とともに大きく変わっていきます。初潮の悩みから更年期の不調まで、あらゆる年代の女性の健康を支えるのが当クリニックの使命です。
子宮頸がんや子宮体がんの検診、月経困難症や過多月経、子宮筋腫、卵巣のう腫などの良性疾患から、性感染症の診断・治療まで幅広く対応いたします。
妊娠を希望される方への不妊相談、結婚前のブライダルチェック、さらには膣のゆるみや尿漏れに対する最新レーザー治療も導入しました。人工妊娠中絶や緊急避妊薬の処方など、デリケートな問題にも真摯に向き合います。
生理のトラブルについて
月経不順や不正出血、月経過多、生理痛、生理前後の体調不良などの治療を行います。生理のトラブルの原因は一つではありません。適切な診断と治療により改善できることが多いです。当クリニックでは女性医師による診察も行っております。生理の痛みや辛い症状を我慢せずに早めにご相談ください。
生理のお悩み子宮・卵巣の良性疾患
子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫などの診察を行なっております。手術が必要な場合は適切な時期に手術が可能な病院へご紹介させていただきます。
子宮頸管ポリープ、バルトリン腺嚢胞などの手術は当クリニックでも行なっております。
骨盤臓器脱（子宮脱、膀胱脱など）に対する保存的治療をおこないます。
子宮筋腫について
30〜40代女性の多くに見られる子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。閉経とともに自然に小さくなっていきます。
症状はできる箇所により、様々です。
一つだけでなく複数個できることも多く、サイズや位置の変化を定期的に確認することが欠かせません。日常生活に支障がなければ経過観察で十分ですが、QOLを著しく低下させる場合は、ホルモン療法や手術を検討します。
子宮内膜症について
「生理のたびに痛みがひどくなる」「鎮痛剤が効かなくなってきた」そんな症状は子宮内膜症の可能性があります。
子宮内膜に似た組織が、卵巣、腹膜など本来あるべきでない場所で増殖する病気です。月経時にその場所でも出血と炎症を繰り返すため、激しい痛みと癒着を引き起こします。月経痛だけでなく、慢性骨盤痛、排便痛、性交痛など、痛みは多岐にわたります。
長期間放置すると卵巣がんのリスクも上昇します。子宮内膜症は、20〜30代の女性に多く、不妊症の原因にもなるため、痛みを我慢せず早期の受診が大切です。
卵巣腫瘍について
卵巣はトラブルが生じても、お腹の奥深くにあるため初期症状がほとんどありません。そのため、腫瘍が大きくなってから、下腹部の膨満感、頻尿、便秘などの症状で気づくことが多いのです。ただし、これらは他の病気でも起こりうる症状です。
症状が現れた場合や検診で異常が見つかった場合は、超音波検査、MRI、腫瘍マーカーなどで良性か悪性かを推定します。治療に際しては、特に若年女性では妊孕性温存を考慮し、正常卵巣組織を可能な限り残す手術を選択します。
当クリニックで施術可能な
手術について
体への負担を最小限に抑えた日帰りまたは短期入院手術を提供しています。
子宮頸部異形成、子宮内膜ポリープ、子宮筋腫、卵巣のう腫など、婦人科の代表的な疾患に対応可能です。いずれも低侵襲な手術方法を選択し、妊孕性の温存や早期回復を重視した治療を行っています。
術前の詳細な説明から術後のフォローアップまで、一貫してサポート。手術への不安や疑問には、納得いただけるまで丁寧にお答えします。お一人おひとりの状況に適した治療法をご提案いたしますので、まずはご相談ください。
他病院の紹介について
より高度な医療が必要な場合や、患者様のご希望に応じて、適切な医療機関をご紹介するのでご安心ください。
大学病院、がん専門病院、高度生殖医療施設など、疾患や治療内容により適切な施設を選定。紹介状には詳細な経過と検査データを添付し、紹介先での診療がスムーズに進むよう配慮しています。
紹介後も必要に応じて連携を取り、切れ目のない医療を提供します。
外陰部の異常・かゆみ
帯下（おりもの）の異常により外陰部の痒みが生じることがあります。カンジダ菌というカビの一種が原因となることが多いです。なかなか治らない強いかゆみがある場合は受診してください。
その他、細菌性膣炎、トリコモナス膣炎、クラミジア頸管炎、子宮頸癌などでも帯下の増加や異常が起こることがあります。
症状があれば早めに受診してください。
こんな症状は
ありませんか？
- 外陰部の耐え難いかゆみ
- おりものの色や臭いの変化
- 排尿時のヒリヒリ感
- 性交時の痛みや乾燥感
- 魚臭い不快な臭い
帯下（おりもの）異常の
主な症状と原因
カンジダ菌
多くの女性が一生に一度は経験するカンジダ症。白いカッテージチーズ状のおりものと、激しいかゆみが特徴的です。かゆみのあまり掻きむしると、外陰部が真っ赤に腫れ上がり、痛みも加わって悪循環に陥ります。もともと膣内の常在菌のため、性行為とは関係なく、ストレス、疲労、抗生物質の使用などで発症します。症状を繰り返しやすいのも特徴ですが、適切な治療と生活改善により、再発を予防することが可能です。
細菌性膣炎
健康な膣は乳酸菌により酸性に保たれていますが、このバランスが崩れると様々な細菌が増殖します。
灰白色の水っぽいおりものが増え、特に月経後や性交後に独特の臭いが強くなるのが特徴です。かゆみは軽いものの、臭いによる精神的苦痛は大きいので、違和感を覚えたら早めに受診しましょう。過度な膣洗浄は善玉菌まで洗い流してしまい、かえって症状を悪化させるため厳禁です。
トリコモナス膣炎
トリコモナス原虫による感染症です。性行為だけではなく、温泉やプールでの感染例があります。
泡立ったおりものが大量に出て、悪臭を放つのが特徴です。外陰部の激しいかゆみと灼熱感で、座ることすら困難になるケースも見られます。排尿時の痛みも伴い、日常生活に大きな支障をきたします。カップルもしくは夫婦で同時に発症するケースも多いので、両方一緒に治療を受ける必要があります。
クラミジア頸管炎
クラミジア頸管炎は、わずかにおりものが増える程度で、痛みもかゆみもありません。
最も多い性感染症でありながら、自覚症状がほとんどないのが厄介な点です。
しかし放置すると上行感染により、卵管炎や骨盤内炎症性疾患（PID）を引き起こし、不妊症の原因となります。
妊娠中の感染は流産や早産のリスクを高め、分娩時の産道感染により新生児肺炎や結膜炎を引き起こすこともあります。定期的な検査により早期発見・治療が可能です。
子宮頸がん
子宮頸がんは、多くのがんと同様に初期段階だと、全く症状がありません。不正出血や性交後出血が現れた時には、すでに進行していることが多いのが現実です。
しかし希望もあります。定期検診により、がんになる前の異形成の段階で発見できるのです。軽度異形成から高度異形成、上皮内がんと段階的に進行するため、早期に発見すれば円錐切除術で子宮を温存したまま治療が可能です。
HPVワクチンと定期検診の両輪により、子宮頸がんは予防可能ながんとなりつつあります。
治療について
婦人科疾患の治療は、患者様一人ひとりのライフステージに応じてオーダーメイドで行うのが当クリニックの特徴です。
月経困難症には低用量ピルや漢方薬、子宮内膜症にはホルモン療法、更年期障害にはHRT、感染症には適切な抗菌薬を選択します。手術が必要な場合も、内視鏡手術など低侵襲な方法を優先します。
妊娠希望の有無、年齢、既往歴、社会的背景などを総合的に考慮し、十分なインフォームドコンセントのもと、適切な治療法を決定していきます。
GSM 尿もれについて
閉経後の女性の多くが経験するGSM（閉経関連泌尿生殖器症候群）。エストロゲン低下により膣や尿道周辺が萎縮し、様々な症状が現れます。
以前は「萎縮性膣炎」などと呼ばれていましたが、膣だけでなく尿路系にも影響が及ぶことから、新たな疾患概念として確立されました。適切な治療で症状は劇的に改善します。少しでもお困りのことがあれば、当クリニックの受診を積極的にご検討ください。
こんな症状は
ありませんか？
- 咳やくしゃみで尿が漏れる
- 急な尿意で間に合わない
- 膣の乾燥で性交痛がある
- 外陰部のヒリヒリ感
- 繰り返す膀胱炎
主な治療について
エストロゲン膣錠や膣クリームによる局所療法から、HRTによる全身療法まで選択肢は豊富です。
そして当クリニックでは最新治療も導入しています。それがCO₂フラクショナルレーザー「モナリザタッチ」です。膣粘膜の再生を促し、弾力性と潤いを取り戻します。施術時間は10分以内。痛みもほとんどありません。
また「アンチェアー」は着衣のまま座るだけで、高密度焦点式電磁場により骨盤底筋を鍛える治療機器です。1回30分で数千回の筋収縮効果があり、尿漏れ改善に高い効果を示します。
日常的なセルフケアとして、保湿剤の使用や骨盤底筋体操の指導も行い、総合的なアプローチで生活の質向上を目指します。